ウメ

ウメの花(白色) ウメの花(淡紅色) ウメの果実
ウメの花(白色) ウメの花(淡紅色) ウメの果実
中国原産で古い時代に日本に渡来し、観賞用や食用に果実を採るため、各地で植えられている。高さは6~10mほどになる落葉性小高木。幹は暗黒色で不ぞろいな割れ目があり樹皮は硬い。枝は多くに分かれ、若い枝は緑色、古い枝には小枝の変形したとげがある。葉は互生して柄があり、倒卵形や楕円形で先端は急に狭くなってとがり、縁には鋸歯がある。柄の基部には早落性の托葉がある。春早く、前年の枝の葉腋に芳香のある5弁花を1個から3個つける。花後に球形や楕円形をして、一方に浅い溝のある果実(核果)を結ぶ。花は普通は白色だが、紅色、淡紅色のものもある。また、一重咲き、八重咲きがあり、種類が多い。
利用部位と 採取時期 果実(6月)
薬効 疲労回復、食欲増進、暑気当たり、風邪、鎮咳、去痰、消化不良 腫れ物の鎮痛、リウマチ、神経痛には梅焼酎をタオルに浸してシップすると効き目がある。
作り方 梅酒 傷や虫食いのない固めの果実1.8L(約1升)をよく水洗いして水気を切り、砂糖1.2kgとともに35度のホワイトリカー1.8Lに漬け込む。2ヶ月で中身を引き上げて飲用する。熟成には6ヶ月から1年置く。中身をそのままにしておくと苦味が増す。薄い琥珀色で香りのよい酒に仕上がる。花も同様に利用できる。
梅焼酎 傷や虫食いのない固めの青梅1.8Lをよく水洗いして日光に干し、少し黄ばんで萎びたころ、1.8Lの焼酎(35度のホワイトリカーでもよい)に漬け込む。砂糖は入れない。約2ヶ月で熟成するので、中身を引き上げる。
梅の種 梅酒から引き上げた果実の種子を割り、中の種(核果)500gを再度砂糖500gとともに1.8Lのホワイトリカーに漬け込み、3~5日置いて飲用。中身はそのままでよい。
引き上げた果実はそのまま食べるか、刻んで菓子の材料にしたり、湯を注いで飲み物にしたりできる。砂糖を入れて煮て食べてもよい。
メモ 果実は梅干しのほか、薬用の烏梅(うばい)、シロップ、ジュース、ジャム、ようかん、梅酒などに利用されている。昔は塩梅(梅干し)を蓄えて吸い物などの味付けに用いた。だから今でも料理の味加減をみることを「塩梅(あんばい)」すると言う。