ガマズミ

ガマズミの花 ガマズミの果実
ガマズミの花 ガマズミの果実
高さ2~4mになる落葉性の低木で日当たりのよい山野に生える。太い幹は4cmほどの長さで群れ茂る。若い枝は灰緑色で樹液を出す点(腺点)と毛がある。古い枝は灰黒色となり皮目が散在する。幹の髄は大きく白色で中心は褐色を帯びている。葉は対生して柄があり、広卵形や円形で変化が多い。先は細長く円形か鋭くとがり、基部は広いくさび形か切形または心形で、縁には不整の低鋸歯がある。葉柄、表裏ともに毛があり、裏面には腺点がある。5~6月、枝先に花茎を出し、散房状に白色で柄のある5弁の細かい花を多数つける。花序は常に1対の葉が短枝の先についている。苞は披針形で膜質、萼は5深裂して裂片は小さい。花冠は筒状で5深裂し、先端は丸い。雄しべは5本で花冠より長い。花柱は短く頭部が3裂している。花後に卵形の果実(液果)を結び、秋に鮮やかな紅色に熟すが、後には暗赤色となる。熟果は甘酸っぱい。
利用部位と 採取時期 果実(10~11月)
薬効 疲労回復、低血圧症、不眠症
作り方 生の果実 よく水洗いして水気を切った果実600gを35度のホワイトリカー1.8Lに砂糖100~150gとともに漬け込む。1ヶ月後から飲用できる。熟成には3ヶ月以上置く。中身は3ヶ月で引き上げる。完熟前の果実は鮮やかな薄紅色で、酸味がある酒に仕上がる。
干した果実 よく水洗いして日光干しにした果実300gと、皮をはいで輪切りにしたレモン1個分を、砂糖150~200gとともに35度のホワイトリカー1.8Lに漬け込む。3~4ヶ月後に中身を引き上げて飲用する。
同じ仲間 ミヤマガマズミも同様に利用できる。
メモ 昔は、ガマズミの果実で衣を薄紅色に染める染料とした。また、果実の絞り汁を白カブやダイコンの漬け物の紅色の着色に使う。