サフラン

サフランの花 サフランの花柱
サフランの花 サフランの花柱
南ヨーロッパまたは小アジア原産で高さ15cmほどになる多年草。日本には文久3年(1864)に渡来し、明治19年に神奈川県で初めて栽培された。その後は各地で植栽されている。地下には丸い鱗形があり、下から細い根を出す。秋に膜質の苞葉の間から細い線形の葉を束生し、花茎とともに基部は葉鞘に包まれている。10~11月、葉の間から短い花茎を伸ばし、先端に淡紫色で漏斗状の美しい6弁花を1個ずつつける。6枚の花弁は同形同色で、やや濃い紫色の条があり、基部は細長い筒状となる。雄しべは6本で束になって直立し、葯は黄色。子房は長い筒状で、1本の花柱は白くて細長く、上部で3裂して多肉質化し、鮮やかな黄赤色でだらしなく垂れ下がっている。花には芳香があり、噛むと少し苦味がある。花後に結実はせず、葉が一段と成長し、翌春に枯れて休眠する。
利用部位と 採取時期 花柱(10~11月)
薬効 生理痛、生理不順、めまい、のぼせ、頭痛
作り方 花期に摘み採り、陰干しにした花柱25~30gをガーゼの袋に入れ、砂糖150~200gとともに35度のホワイトリカー1.8Lに漬け込む。2ヶ月後に中身を引き上げて飲用する。熟成には3ヶ月以上置く。レモンの絞り汁や蜂蜜を少量加えてもよい。やや苦味のある黄紅色で香りのよい酒に仕上がる。
メモ 花柱を集めて乾燥させたものを薬用とするほか、化粧品や食品の着色にも用いる。ヒガンバナ科のサフランモドキ、また、花の黄色いキバナサフラン、白や薄紫色のハルサフランは薬用にはしない。