サルナシ

サルナシの果実 サルナシの果実 収穫
サルナシの果実
沢沿いや林に生える雌雄混株、または雌雄異株の落葉性蔓植物。蔓は大木に這い上がって長く伸び、数多く枝分かれして高さ30m、径15cmにもなる。太い幹の皮は褐色ではがれやすい。葉は互生して赤みがかった長い柄があり、広卵形で先はとがり、基部は円形またはやや心臓形。縁にはとげ状の鋸歯がある。葉質は堅い紙質で、表面は濃緑色で少し艶があり、裏面は淡緑色。葉は夏になってもマタタビのように白く変らない。5~7月、ウメの花に似た5弁花をつける。花後に径2.5~3.5cmの球形の果実(液果)を結び、熟すと芳香のある薄緑色がかった肉色となり、食べると甘酸っぱい。果実は熟しても地上に落ちないので木に登ったり、枝にロープを引っ掛けて下に引いて採る。
利用部位と 採取時期 果実(9月)
薬効 疲労回復、強壮、補精
作り方 山で採り立ての熟して甘みのある果実、または未熟の果実を採って紙袋や紙箱に入れて日当たりのよい所で追熟させたもの600g、乾燥したものなら300gを35度のホワイトリカー1.8Lに砂糖50~100gとともに漬け込む。2ヶ月後から飲めるが、熟成には6ヶ月以上置いた方がよい。中身は入れたままでもよい。淡い黄金色に仕上がったサルナシ酒は、果実そのままの芳香と柔らかい飲み口から、果実酒の中でも最高級とされる。
メモ 日本名は「猿梨」で、液果がナシに似ており、サルが好んで食べるナシの意味だが、サルばかりでなくクマの好物でもある。 太い蔓を切ると樹液が出てくる。山で水を切らした場合、この樹液を代わりに飲むとよい。 サルナシとキウィフルーツを人工交配すると、果実は野生のサルナシの2倍ほどの大きさになる。