宮城植物の会 会誌の原稿-2

昨日に引き続き、今日はアズマシロカネソウについて紹介します。 栗原市花山・湯浜温泉近くで確認した トガリバイヌワラビとアズマシロカネソウについて(その2) アズマシロカネソウはトウゴクサバノオが太平洋要素の分布を示しているのに対し、 典型的な日本海要素の分布を示している植物である。 トウゴクサバノオは県内ではこれまで仙台市上の原や太白山、蔵王町青麻山、大和町鎌倉山、 名取市大沢、角田市斗蔵山が知られ、岩手県大船渡市が北限とされる植物である。 アズマシロカネソウは秋田県より福井県までの日本海側に分布するといわれているが、 岩手県では秋田県境に近い湯田町の湯川温泉、鷲ノ巣、牛形山などで確認されている。 また、福島県でも南会津郡駒ヶ岳でも確認されている。 宮城県でのアズマシロカネソウの採集記録は見あたらず また宮城植物目録2000にも記載がない。 ところが上野雄規氏にアズマシロカネソウのついて問い合わせたところ、 花山の近く温湯温泉の近くで確認しているということであるので県内では、 あまり離れていない場所での2ヶ所目の確認となる。 なお、シダの同定をいただいた中池敏之氏、 資料を提供いただいた上野雄規氏に御礼を申し上げます。 参考文献 植物研究雑誌第80巻 第1号 P.57~60 トウゴクサバノオの北限と分布パターン(大橋広好 吉田繁) 宮城植物の会・宮城県植物誌編集委員会(2001):宮城県植物目録2000 北本州産高等植物チェックリスト(1991):上野雄規 新版山形県の植物誌(1992):結城嘉美 福島県植物雑誌(1987):福島県植物誌編さん委員会 岩手県植物誌(1970):岩手植物の会  アズマシロカネソウアズマシロカネソウ