クコ

クコの果実 クコ酒
クコの果実 クコ酒
日当たりがよい原野、川畔、土手などに生える高さ1~2mになる落葉性低木。茎は根元から枝分かれして多数が群がっている。枝には縦の条があり、細長く伸びて湾曲し、ところどころに枝の変化したとげがある。葉は長楕円形で柔らかく全縁、基部は次第に細くなり短い柄となる。葉は無毛で節に数枚が集まって互生する。8~9月、葉腋から細い花柄を出し、薄紫色の5弁花1個から数個を長期間つける。萼は短い鐘形で、先端が浅く5裂する。花冠の下部には紫色の条があり、5本の雄しべと1本の雌しべがある。花後に楕円形で緑色の果実(液果)を結び、秋に紅色に熟する。
利用部位と 採取時期 茎葉(春と秋)  果実(10~11月)  根皮(秋)
薬効 強精、強壮、疲労回復、解熱、低血圧症、冷え性、不眠症、動脈硬化予防
作り方 生の果実 よく水洗いして水気を切った果実500gをつき砕いてガーゼの袋に入れ、砂糖100~150gとともに35度のホワイトリカー1.8Lに漬け込む。1ヶ月後から飲用できる。熟成には3ヶ月以上置く。中身はそのままでよい。琥珀色で特有の香りと癖のある酒に仕上がる。
乾燥した 果実と根皮 乾燥した果実50gと根皮50gを砂糖100~150gとともに35度のホワイトリカー1.8Lに漬け込む。3ヶ月後に中身を引き上げ、漉して飲用する。熟成には4ヶ月以上置く。
茎葉 よく水洗いして1~2cmに刻み、2、3日の間、日光干しにした茎葉200~300gを砂糖100~200gとともに35度のホワイトリカー1.8Lに漬け込む。1ヶ月後から飲用できる。熟成には3ヶ月以上置く。
※果実と茎葉、根皮を適量ずつ混ぜたものが最良のクコ酒とされる。
メモ 漢名の「枸杞」は2種の木の名の組み合わせでできた。クコのとげが枸のようで、木の形が杞に似ていることに由来する。枸はミカン科のカラタチ、杞はヤナギ科のコリヤナギである。 春と夏の葉を採り、よく水洗いした後、乾燥したり蒸して焙じたものがクコ茶である。中国の古書に「クコ、サイカチ、アケビの3種の葉を混ぜて作った茶を飲用したら200歳まで長生きしたことがあった」とある。