ハンゲショウ

低地の水辺や湿地に生える多年草で、草全体に一種の臭気がある。地下茎は白色で太くて横に這い、茎は高さ50~100cmほどになる。葉は卵形、基部は心形で、長さ5~15cm、幅は4~9cmほどで、5~7脈がある。花期になると茎の先の花序の葉は、下半分が白くなる。6~8月頃、長さ10~15cmの細長い花穂に、多数の花をつけ、基部の方から順に咲く。花穂は、初め垂れているが、花が咲くに従って立ち上がってくる。花弁はなく、雄しべ6~7本、雌しべ1本。本州、四国、九州、琉球、朝鮮、中国、フィリピンに分布する。宮城県では、生育が3ヶ所で確認されているだけで、分布上大変貴重な植物の一つである。環境庁カテゴリーでは対象外となっているが、宮城県では、絶滅の危険が増大している種ということで、絶滅危惧Ⅱ類 に入っている。ハンゲショウは「半夏生」と書く。暦の上では、夏至から数えて11日目を半夏生といい、この半夏生の頃に花を咲かせることから名前がつけられたと言われている。茎の先の花序の葉色の特徴から、半化粧(葉の下半分に白粉を塗りかけた、つまり半分だけ化粧をした状態)とする理解もある。 撮影 :宮城県大崎市古川荒谷・研究所の庭 (左)2006.7.19 (右)2006.8.4
ハンゲショウ(半夏生) → 半化粧? 茎の先の花序の葉は、下半分が白くなる ハンゲショウの花
ハンゲショウ(半夏生) → 半化粧? 茎の先の花序の葉は、下半分が白くなる ハンゲショウの花