ウミネコとタブノキとアオスジアゲハ
これまで、ウミネコがタブノキの果実(タブノキは果皮が多肉で水分の多い液果)を食べるということは分かりませんでした。
今回、網地島での観察会の折、路上に落ちている種子を参加者の方にウミネコ(当人はカモメと言っていました)が食べたタブノキの実であると教えていただきました。
また、ウミネコが、葉が密生したタブノキの枝の上にとまり、タブノキの実を啄んでいるのをよく見かけるとも話していました。
網地島では、島全体いたる所にタブノキが見られますが、ウミネコが種子の散布に大きく係わっているのだなということも分かりました。
果実のなっていたタブノキがあったので、その実を食べてみましたら、とても甘いのです。
ウミネコが食べるのもなるほどなと思いました。
タブノキ
ウミネコ
タブノキの果実(液果)ウミネコの糞から出てきたタブノキの種子
島に来るとアオスジアゲハの多いのには驚きます。
夏に花が咲く、ノブドウやヤブガラシの所には何十匹ものアオスジアゲハが群れているのをよく見かけることがあります。
このアオスジアゲハは、卵をクスノキ科の葉に産みつけます。
アオスジアゲハの幼虫の食草はクスノキ科の種類ですが、島に生育するクスノキ科の樹林と言えば、タブノキとオオバクロモジです。
島全体に見られるタブノキ、その葉を食べて育つアオスジアゲハ・・・
網地島にアオスジアゲハが多く見られるのも納得のいく所です。
今回、運よく、アオスジアゲハの幼虫の写真も撮ることができました。
タブノキの葉の上の ヤブガラシの花に何十匹と群れるアオスジアゲハ
アオスジアゲハの幼虫