ヒツジグサ
北海道~九州に広く分布し、低地~山地の池沼(水深10~50cmほどの水域)に生える多年草の水生植物。水底の地下茎の先端から柄が伸びて、水面に達する。葉には水中の葉(沈水葉)と水面に浮く葉(浮葉)の2種類があり、浮葉は、葉の長さは1.5~30cmと大小さまざまで、卵円形~広楕円形で、表面は緑色で光沢があり、裏面は紅紫色。水面をうめつくすように葉を浮かべる。冬期、浮葉は枯れて、沈水葉のみとなる。花期は6月~11月と長く、根生の花柄の先に径3~7cmほどのクリーム色を帯びた白色の清楚な花を1個咲かせる。花弁の数は8~15枚ほど、萼片は4枚で花弁より長い。花後、花茎はらせん状にねじれて水中に沈み、果実は水中で成熟し、楕円形の小さな種子を沢山つける。「ヒツジ」とは動物の羊ではなく、十二支の未(ひつじ)のことで、未(ひつじ)の刻(午後1時~3時)に開花するところから名前がつけられた。実際にはもっと早くから咲いて、夕方5時頃に花は閉じる。花の開閉は3日間ほど繰り返される。 撮影 :宮城県大崎市古川荒谷・研究所の庭(右上)2006.7.26 (他)2006.8.14 | |
水面に浮かぶヒツジグサ | 花に近づいてみると・・・ |