絶滅危惧種 キキョウ
今から50年以上も前のことになりますが、私が小さかった頃、
お盆前になると決まって野に咲いているキキョウ、オミナエシ、ワレモコウを束にして
各家々をまわり、売りに来る山手に住むおばあさんがいました。
その頃は、私の家から2kmほど離れた所にある化女沼周辺には
キキョウ、オミナエシ、ワレモコウも普通に見られましたし、
春に花が咲くオキナグサやアズマギクも、いたる所に見られたものです。
キキョウ科キキョウは、日当たりのよい山野や草地に生える多年草です。
根は太く、茎は高さ50~100cm以上にもなり、傷をつけると白液を出します。
葉は互生し、狭卵形でふちには鋭いきょ歯があり、長さ4~7cm、巾1.5~4cmで
下面は白緑色をしています。
花は7~9月頃、茎頂近くに数個つき、花冠は径4~5cm、青紫色ですが
淡紫色や白色のものもあります。
雄しべは5本で、雌しべの柱頭は5裂します。
分布は日本全土、朝鮮、中国などですが、近年、激減しており
絶滅した県も出てきています。
レッドデータブックによると、判定基準はE、
100年後の絶滅確率はほぼ100%になっています。
原因は園芸用の採集、草地植生の遷移、草地の開発と考えられています。