ムラサキケマン

北海道から九州まで広く分布し、平地や山麓の日陰、雑木林など、やや湿ったところに生える越年草。4~6月、高さ20~50cmほどの茎の上部に、紅紫色、ときに白色の花を総状に多数つける。花は長さ1.2~1.8cmほどの筒状で、先が唇状となる。花色が紅紫色であることからムラサキケマンの名があるが、日陰に生えるので、同じ仲間のキケマンやミヤマキケマンなどに比べ、全体に、茎、葉ともに柔らかい草である。葉は2~3回羽状に細かく裂け、裂片はさらに深く切れ込む。名の華鬘(ケマン)とは仏具のことで、花が似ていることに由来している。花は美しいが悪臭があり、吸い込むと吐き気をもよおす場合もある。ミヤマキケマンと同様に、誤食により、嘔吐、瞳孔 の収縮、心臓麻痺などを起こす危険もあり、注意が必要である。 撮影 :宮城県登米市東和町米川・若草稲荷神社 2006.5.13
ムラサキケマンの花 ミヤマキケマンとムラサキケマンの共生
ムラサキケマンの花 ミヤマキケマンとムラサキケマンの共生