山地や平地の藪、または川沿いの土手、湿地などに生える蔓性の落葉低木。大きな幹は直径数cmにもなり、樹皮は茶褐色で縦に裂け目がある。枝は細長い円柱形で強く、他の樹木に巻きついてはいあがり緑色で毛はない。葉は互生して柄があり、卵形または長楕円形で先端は短く尖り、全縁で滑らか。質はやや硬く7~8対の側脈があり、裏面はやや白色をおび、基部に托葉がある。夏に枝先または枝腋に円錐花序をだし、緑色をおびた白い小花を多数つける。花後楕円形の核果を結ぶが、その年は熟さずそのまま越年し、7月頃紅色となり後に黒熟する。 |
薬用部分 |
幹、枝、葉、核果 |
採取時期 |
幹、枝、葉:盛夏
核果:7~8月 |
調整法 |
幹、枝、葉:陰干し |
薬効と用い方 |
食欲不振 |
幹枝葉1回量2~5gをコップ1杯の水で半量になるまで煎じ服用するとよい。 |
胆石症 |
枝幹葉8g、カキドオシ4gをコップ5杯の水で2/3量になるまで煎じ、温かいうちに服用するとよい。 |
口角炎 |
生の幹枝を火であぶり切口からでる液汁を塗布すればよい。 |
解熱、解毒、利尿
リウマチ、肝臓病
糖尿病 |
幹枝葉1日量6~12gをコップ3杯の水で1/3量になるまで煎じ、1日3回服用するとよい。 |
低(高)血圧症
不眠症、冷え症
強壮、強精 |
核果を果実酒にして飲用するとよい。 |
癌 |
サルノコシカケとクマヤナギを配合して煎服するとよいという。 |
メモ |
漢名:蛇藤(じゃとう)
果実は食用になる。 |