湿った地上や岩の上に群生する半常緑性の多年草で、庭園にも植栽されていることが多い。全体に赤褐色の長い毛ににおおわれ、茎の基部から紅紫色の長い走出枝をだして地上をはい、先に新しい株をつくり繁殖する。葉はすべて根生しロゼット状で長い柄があり、腎臓形で基部は心形、縁は掌状に浅く裂け低い鋸歯がある。葉の表面は黒っぽい緑色で、葉脈に沿って白い筋があり、その間に赤斑がある。裏面は暗赤色。5~7月、葉の間から15~40cmの花茎をのばし、紅紫色の綿毛を密生する円錐花序をだし、白色の五弁花を横向きにつける。上部の3枚の小さな花弁には濃紅色の斑点がある。 |
薬用部分 |
葉 |
採取時期 |
生葉:年中 |
調整法 |
5~7月、開花時:陰干し
生葉使用は年中 |
薬効と用い方 |
小児のひきつけ |
生葉を塩でもみ、でた液汁を口の中に含ませるとよい。 |
中耳炎 |
生葉を塩でもみ、でた液汁を耳の穴にたらし脱脂綿で軽く栓をし、毎日1回くり返すとよい。 |
腫れもの、やけど、凍傷 |
生葉を火であぶり、軟らかくして患部に貼るとよい。 |
風邪、扁桃腺炎、百日咳 |
生葉5~6枚のもみ汁を少量ずつ、1日3回服用するとよい。 |
面疔 |
生葉をもみ、患部に貼り乾いたら取り替えるとよい。 |
うるしかぶれ |
生葉の絞り汁を塗布するとよい。 |
歯痛 |
生葉を塩でもみ、でた液汁を脱脂綿に浸し、痛む歯で噛みしめるとよい。 |
メモ |
漢名:虎耳草(こじそう) |