ナツメ

ナツメの果実 青空を背景に ナツメの果実 ナツメの果実 収穫
ナツメの果実
中国北部の原産で、日本には古い時代に渡来し、平安朝以来栽培されている落葉性の小高木。高さは10mほどになる。樹皮は灰褐色で縦に裂ける。若い枝は褐紫色で毛はない。根が伸びた先から時折新株を出す。幹の上部で枝分かれし、節にしばしば托葉が変化したとげがある。小枝は節に2~3本が束生し、冬になると落ちる。葉はごく短い柄があり、小枝に互生して羽状複葉に見える。葉身は卵形や長卵形で先端は鈍形、縁には鈍鋸歯があり、基部は丸く、左右の形がやや異なっており、基部から分かれる3本の主脈がある。葉の表面は滑らかで光沢があり、下面脈上にわずかに毛があることがある。質は薄くて硬い。6~7月、葉腋または枝先に小型の集散花序を作り、淡黄色で柄のある5弁の小花を数個つける。萼片は三角形で5個、花弁は卵円形で小さくそり返る。雄しべは5本、雌しべは1本。花後に球形または楕円形の果実(核果)を結び、熟すとはじめの緑色から褐色になる。中には1個の核がある。
利用部位と 採取時期 果実(9~10月)
薬効 強壮、疲労回復、滋養、利尿、声枯れ、鎮咳
作り方 生の果実 (完熟直前) 完熟直前の果実600~700gをよく水洗いして水気を拭き取り、砂糖150~200gとともに35度のホワイトリカー1.8Lに漬け込む。1ヶ月後から飲用できる。熟成には3ヶ月以上置く。中身は入れたままでよい。 1ヶ月で淡黄色、2ヶ月で淡い琥珀色、酸味と渋味のある酒に仕上がる。生の果実を使うとやや渋い風味になる。
干した果実 (完熟) 種子を取り除いた完熟果実を日光干しにする。これを蒸して再び日光干しにしたもの(大棗)300gを砂糖150~200gとともに35度のホワイトリカー1.8Lに漬け込む。2ヶ月後に漉して飲用する。熟成には3ヶ月以上置く。