深山の谷間に生える落葉性高木で、周囲2m、高さ25~30mの大木になっているものが多い。ときに人家で植えられたり、街路樹として利用される。樹皮は帯黄褐色~濃黄褐色で多数の皮目がある。掌状複葉の葉は長い柄があり対生、小葉は倒長卵形~倒卵状長楕円形で5~7枚あり、先端は鋭く尖り基部はくさび形で中央のものが大きく、へりには鈍鋸葉がある。表面は無毛、裏面に赤褐色の軟毛がある。5~6月、枝先に大きな円錐花序を直立させ、淡卵黄色の単性または両性花をつける。花後倒円錐形の果実を結び、熟すと三裂し、光沢のある赤褐色の種子(とちの実)をだす。 |
薬用部分 |
葉、樹皮、種子 |
採取時期 |
葉 : 5月~6月
樹皮:夏
種子:秋 |
調整法 |
葉 : 生または陰干し
樹皮:日光干し
種子:日光干し |
薬効と用い方 |
水虫、たむし |
若葉、若芽の生汁(粘液)を患部に塗布するとよい。また、生の種子を砕いたものとセンブリを同量、水からの濃煎汁を塗布してもよい。 |
神経痛、打ち身
捻挫
ひざの腫れや痛み |
トチの実20個、ホオズキ10個を1.8lのホワイトリカーに漬け込み、3ヶ月以上置いたものを、患部に塗布し、たびたび繰り返すとよい。 |
下痢止め |
1日量乾燥した樹皮10~15gをコップ2杯の水で半量になるまで煎じ服用するとよい。また、乾燥した葉の細末茶さじ1杯分を塩湯で服用してもよい。 |
火傷、湿疹外傷 |
乾燥した種子10~15gの煎汁で冷湿布するとよい。 |
メモ |
種子は食用となる。 |